2023-01-23 環境資源科学実験Ⅰ(物理学応用)「製紙および紙の物性評価」
先週に続き、農学部 環境資源科学科2年生の授業「環境資源科学実験Ⅰ(物理学応用)」の授業の様子。
今日は、小瀬亮太准教授による「製紙および紙の物性評価」を紹介するワン。
紙はとっても身近なものだけど、いつから作られているのかワン?
これまでに確認された最古の紙は、なんと紀元前2世紀頃のもの!
2000年も前から使われているけど、実は、「紙の素材であるパルプ繊維を水に分散させて、脱水して、乾燥する」という紙作りの工程は、昔から同じなんだワン。
写真1枚目、2枚目で学生さんがのぞいているのは、紙を作るための機械。
パルプ繊維が分散した水を計量して機械に入れ、水を抜くワン。
脱水は、乾燥させるだけだと時間がかかるから、現代の紙づくりでは、プレスして水を追い出す方法が使われているワン。
この実験で、プレスするのに使うのは、麺棒のような金属製の重たい道具。
写真3枚目のように、コロコロころがしながら、脱水していくワン。
できあがった紙は、まだ濡れているので、さらに濾紙で挟んでプレスしてもっと水を除くワン。
それが、写真4枚目、5枚目。
最後に乾燥させてできあがり。
手作りの紙というと、和紙みたいなものがイメージしやすいけど、できた紙はノートに使われるような紙だったワン。
写真6枚目は、紙の原料になるパルプ分散液、写真7枚目は、小瀬先生の講義の様子だワン。
このあと、今回作った普通の紙と、リサイクルした紙の性質の違いを比べる実験もあるワン。
リサイクルした紙の作り方は、まず普通の紙を作り、それを水に分散させて、もう一度紙にするワン。
一度水に分散させてもう一度紙にするだけだったら、性質は変わらないような気がするけど、どんな違いがあるんだワン?
リサイクルすると、乾燥させる工程での水の表面張力の影響で、パルプ繊維の構造が変化して、繊維が劣化してしまうんだワン。
リサイクルした紙も、見た目は同じものだけど、リサイクル前の紙とは性質が変わるんだワン。
リサイクルでは紙が弱くなるけど、製紙では、紙を強くするための工程もあるワン。
接着剤を入れていないのに、ばらばらのパルプ繊維がくっついて紙ができるのは、積み重なったパルプ繊維同士が接しているところが水素結合で結びついているから。
パルプを水に分散する前にパルプ繊維雄をすりつぶす工程を行うと、パルプ繊維が柔らかくなるので、より繊維同士の接する面積が増えて、水素結合の面積が増えるワン。
そうすると同じパルプの量の紙でも、より丈夫になるんだワン。
紙作りって奥が深いワン。
もっともっと知りたくなったワン!
来週は、騒音や粉塵の計測実験の様子を紹介するワン。
お楽しみに!
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