活躍する卒業生

現在のお仕事
味の素株式会社バイオ?ファイン研究所で、セイボリーグループに所属しています。バイオで「食」と「健康」の課題を解決することをミッションとするグループです。私はここで、大きく分けて2つの仕事を担っています。
1つは当社の強みである微生物設計技術を高度化し、高い生産能を示す菌株を創出することです。セイボリーグループでは、次世代の味の素?ともいえる発酵うま味調味料を開発しています。その生産菌を先端バイオ技術を駆使して創出するのが目標です。
2つ目は持続可能な食料生産に向けた新たな食品素材の開発です。近い将来、タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質クライシス」が起こることが懸念されています。そこで私は、微生物の力で未来の食の課題解決を行うべく、「発酵でおいしい肉をつくれるような」次世代食品素材を発案し、これが採用されました。自分でつくったテーマなので、プライドをもって研究開発を進めています。
この仕事の面白さは、「ゼロからイチ」を生み出せることです。今まで誰もつくったことのない微生物を創出することで、事業が拡大していくダイナミズムを実感できます。
農工大での研究活動
農工大時代は、工学部生命工学科で学びました。川野竜司教授の研究室で、膜タンパク質とDNAコンピューティングを利用したがんの超早期診断システムを研究していました。DNAコンピューティングとは、DNA分子を演算素子とする計算手法のこと。具体的には、血中のマイクロRNAをDNAコンピューティングで検出し、膜タンパク質内の電位変化で出力するシステムを開発しました。
生物の持つ機能が人に役立つ形に再構築されることに魅了され、大学院修了まで研究に没頭しました。おかげで国際学会を含む学会発表での受賞8件、査読付き論文2本発表という成果を上げることができました。新しいことを考え、実験を設計し、成果を対外的に発信する——。身につけた研究スキルセットは、社内で新規テーマを提案する際に大いに役立っています。
将来の目標?夢
現在の仕事における目標は、「食」を通じて、多くの人の心と身体の健康に貢献することです。どんな未来が訪れても変わらない「食」の安心を届けたいと思っています。
※掲載内容は、2025年3月取材時のものです。